S&P500が先々週(1/25)に一服(マイナス0.2%)したのを除けば主要指数は6週続伸した。昨年12月24日まで約ざっくり20%下落した相場は、ダウであと6.3%、S&P500で8.2%、そしてナスダック総合は10.5%のところまで戻った。12月の月間下落率は9.18%で12月としては大恐慌時の1931年(マイナス17.48%)以来の凄まじさだったが、1月の急反発(+7.87%)もやはり1月だとブラックマンデーのあった1987年(+13.18%)以来でこれも歴史的といえよう。

先週は週の前半は下げ基調、それが水曜日のFOMCで「利上げを休止し、バランスシートの縮小スピードについても再考すると示唆。FRBが最大限のハト派スタンスを取ると予想していた市場関係者はほとんどおらず、市場も大きく反応」。ただしその真意は「市場が好感した予想外のハト派姿勢は景気後退に対する早期の備えか」(9番【米国株式市場】)。いずれにしても米国経済にとって株価がいかに大事な要素かを改めて実感した週だった。

もう1つのマーケットの注目は企業決算。先週まででS&P500構成企業の46%が発表し、今週も103社が発表予定。月曜日はアルファベット(GOOGL)、火曜日はディズニー(DIS)そして医薬品銘柄の発表も目立つ。今回の決算の特徴は売上、利益ともその増益率の鈍化だ。「今年通年の増益率は昨年9月ごろまでは10%予想だったが、昨年年末にかけて急速に減速し直近では6%程度にまで低下してきた。とりわけ第1四半期の成長率の低下が大きく、S&P500の1株当たり利益は加重平均だと若干のマイナスで、中央値なら約4%増益」とのこと(1番【注目銘柄】)。ただしその後は少し盛り返すようだ。

この企業業績に絡んだ記事が今週のカバー1番の【注目銘柄】。「景気の減速懸念で選好されるのは食品、医薬品、電力などのディフェンシブなグループ」、「しかし、食品消費の中心は加工品から生鮮品へと移行し、製薬会社は薬価引き下げの圧力に直面、電力需要は以前ほど伸びていない。従って、長期的な成長銘柄を物色する方が良い」とある。以下がその注目5銘柄:①医療機器メーカーのストライカー(SYK)、②マイクロソフト(MSFT)、③予想PER14倍の自動車部品メーカー、アプティブ(APTV)、④PER9倍の格安航空会社スピリット・エアラインズ(SAVE)、⑤缶メーカーのボール(BLL)。

他には上場投資信託(ETF)を扱った記事も多かった。6番の【ファクター投資】ではクオリティーファクターに、7番【上場投資信託】では配当、そして9番【米国株式市場】ではバリューに注目したETFを紹介している。銘柄選びの参考になると思う。

6週続伸の相場だが、そろそろ一服したいところではないか?それにしても先週のFOMC、「市場に屈したFRB」とのメディアの見出しが語るようにパウエル議長も株価には勝てないとの印象を残した。では、株価を無視した経済運営はどんな結果をもたらすのか? 株式市場の重要性はアメリカ人には染みついているはずだ、一方でその重要性への感じ方が日本人には乏しいように思う。なにはともあれ株はゆっくり上がるのがいい。ありがとう米国株式。

『バロンズ拾い読み』編集人 川田重信