■概況
久々に大きく反落した。週間ではダウが2.12%、S&P500は2.18%、ナスダック総合は3.03%の下落だ。ただし下落した日でも日中の安値からは大きく反発しているので引き続き楽観論は根強いようで、6番の【米国株式市場】では「50日移動平均線を上回っている限り、投資家は先週の下落をそれほど懸念していない。」

今回の下落の主因は米中貿易協議のもつれだが、これも同じ記事中に「全面的な貿易戦争になったとしても米国には大問題ではない」とある。本質的な相場変動要因でなければメディア情報には段々と耐性がつく場合が多く、今回もそうだと思う。この4か月間上げっぱなしだったのでなにか売るきっかけがほしかったということと理解している。

■今週のカバー【推奨銘柄】
相場の乱高下に備えるためにディフェンシブな銘柄を模索する投資家が多いとの前置きで、その参考になるような7銘柄を紹介しているのが1番カバーの【推奨銘柄】。銘柄選定の基準は配当が堅牢で増配傾向にある企業。銘柄は①電力・ガスのセンプラ・エナジー(SRE)、②JPモルガン・チェース(JPM)③再生可能エネルギーを手掛けるネクステラ・エナジー(NEE)、④工業ガス・化学会社のエアープロダクツ・アンド・ケミカルズ(APD)、⑤航空電子部品会社のハネウェル・インターナショナル(HON)⑥スパイス・調味料製造販売大手の中型株マコーミック(MKC)、⑦マイクロソフト(MSFT)。配当利回りは1~3%程度なので、投資魅力は利回りだけではない。投資スパンはどれも中長期なので忍耐強く待てる人向けだ。

■個別銘柄
2番の【UPS】は、配送大手のユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)の株価がこの数年間停滞し割安。3番【J.B.ハント】はインターモーダル(複合一貫)輸送の最大手J.B.ハント・トランスポート・サービシズ(JBHT)でこれも推奨理由は割安。4番【インタビュー】では、運用会社ベイリー・ギフォードのファンマネがアマゾン(AMZN)、テスラ(TSLA)の投資理由を。6番【米国株式市場】後半では「GM株が買い時」。傘下で自動運転を開発しているクルーズ部門の価値が株価に反映されていないとのこと。8番の【ハイテク】では昨年5月にマッチング(デーティング)サービスへの参入計画を発表したフェイスブック(FB)とこの分野のリーダー、マッチ・グループ(MTCH)、さらには10番【経済スケジュール】のコラムではカナダの医療用大麻事業のクロノス・グループ(CRON)、これらを紹介している。

■出戻り証券マンの独り言
先週は日経CNBCとストックボイスのテレビ出演が2回。前者は大体2か月に1回で後者は2週に1回が基本。真面目腐って小難しいことをいうのは気恥ずかしいし相場の「教祖」路線は似合わない。内容に多少の脚色はあるが大体は等身大の私を語っているつもり。少しオチャラケを入れてスタッフやキャスターの笑いをとるのも楽しみの一つ。

ところで相場を上下とタイミングは本当に分からない、例えば2週間前に「相場は少し「ユーフォリア(=多幸症)」状態」と書いたが、あそこでもそして今も売る気はない。それよりS&P500の実績「年率7%+配当」の上昇線からどれだけ上下に乖離しているか?これにいろいろ思いを巡らせて楽しんでいる。実際年初来の上昇率の高さは歴史的だが、株価は昨年秋と比べればほぼ同水準だ。企業利益が増えているならこの1年で割安感が高まった、こういう風にのん気に構えている。したがって年初来の私のパフォーマンスは相当に良い(ただし昨年はしっかりやられているのでご心配なく)!これが機関投資家型のリスク管理で丁寧に銘柄の入れ替えや損切りルールを実行していたらこうはならないはずだ。運用に説明責任が付きまとうとそれだけ運用の難易度やコストが上がるという一例だ。

そうはいっても保有銘柄のいくつかでは地雷を踏んでいる。これもテレビで白状しているが、この戻りの局面で大きく足を引っ張るのが1つ(だけ)、他にも戻りの鈍いのが2、3つ。そしてこれらが個別銘柄全体のパフォーマンスを台無しにしている。昨年来の相場の上下動はこれまで何度も経験して損切りも励行していたはずなのに、今回はその時間の猶予と気持ちの余裕がなかった、要は「下手」なのだ。ありがとうアメリカ株式。

『バロンズ拾い読み』編集人 川田重信