■概況
主要指数は2週続伸、さすがに騰勢は鈍ったが底堅い値動きだ。株価材料は「イランのタンカー2隻攻撃、ブロードコム(AVGO)が年間売上高見通しを20億ドル引き下げ、貿易関連で中国が米国の圧力には屈しないこと」5番【米国株式市場】。今後の注目は①今週のFOMCで7月利下げに踏み切るとの投資家の期待に沿ったシグナルがでるのか。②6月28、29日に大阪で開催される主要20カ国・地域首脳会議(G20)での米中の協議。

■今週の記事
1.2019年の世界の優秀CEO【CEO】
2.複合企業と軍需企業の合併【M&A】
3.株価下落は過剰【医薬品卸】
4.スラック【新規株式公開】
5.利下げ観測を背景に続伸【米国株式市場】
6.中国を頂点とする世界【新世界秩序】
7.利下げ【コラム】
8.IPOブーム再来?【ハイテク】
9.アマゾン撤退でグラブハブは?【料理宅配銘柄】
10.今週の予定【経済関連スケジュール】

■注目記事
2番【M&A】では複合企業ユナイテッド・テクノロジーズ(UTX)と防衛機器メーカーのレイセオンの株式交換による「対等合併」。今後の経過は複雑だろうか株主にはとりあえず好機。

3番【医薬卸】は3大医薬品卸売業者について。マッケソン(MCK)とカーディナルヘルス(CAH)の株価は2015年6月以降半分になり、アメリソースバーゲン(ABC)は3分の1を下落。バリュエーションの低さから買い推奨。

4番【新規株式公開】では6月20日(木)上場予定のスラック・テクノロジーズ(WORK)に対しは上場後の株価乱高下が落ち着くまで静観。

8番【ハイテク】、業界のIPOについて年前半のおさらいと今後の展望。紹介銘柄はテレビ会議システムのズーム・ビデオ・コミュニケーションズ(ZM)、ITシステム監視サービスのページャーデューティー(PD)。先週公開でパフォーマンスのよかったクラウドベースのセキュリティーサービスのクラウドストライク・ホールディングス(CRWD)、ファイバー・インターナショナル(FVRR)で同社はスピーチ原稿の執筆やロゴ・デザインなどのサービスを売買するオンライン・マーケットプレイスを運営するイスラエルの企業。オンライン・ペットフードショップのチューイ(CHWY)。今後期待されるのは民泊サービスのエアービーアンドビー、シェアオフィス運営のウィワーク、ロケット打ち上げサービスのスペースXなど。

9番【料理宅配銘柄】。この業界はグラブハブ(GRUB)、ウーバーイーツ、ドアダッシュの3社が約8割のシェアを占有。オンライン料理宅配市場は今年、米国で20%成長して560億ドルに、全世界では16%成長して2030億ドルに達する。2023年にはそれぞれ860億ドルと2980億ドル規模の市場に成長だが、それでも外食産業全体で見れば全体の14%(米国)、10%(全世界)。

■出戻り証券マンの独り言:
①先週は出張中
先週『バロンズ拾い読み』の制作時は旅先だった。作業環境と時間の制約で満足にエディットできなかった。レポート発行後に空港売店でBarron’sを購入し読み込んでみたが、改めて原文のニュアンスを伝える難しさを実感した、これからも一層精進したい。

②史上最高値まであと2%
日本では利下げ頼みの株価先行を危険視し、巨大ハイテク企業への規制強化に懸念を示す報道が氾濫している。ところがどうだろう、S&P500は今年4月30日の史上最高値2946まで約2%に迫っているし、ダウは3%、ナスダックも5%で史上最高値だ。米国の株式市場の本質をわきまえずに日本人投資家にいたずらにリスクだけを強調する報道をずっと続けるのはどういう思惑なのだろう、自分で投資したことがない人達か?

③「老後2000万円不足」報道
私はこの問題に対する知見は持ち合わせていない。ただしメディアで論評する人自身も老後に2000万円不足している人はいないと思う。自分が困っていないのに誰のために何のために大声を出すのだろう?

ところで2000万円は十分に作れる金額だ。実際にNISA等の非課税制度を利用すれば為替を考慮しても確実に到達可能だ。例えば毎月3万円を30年間、年利7%で積み立てると元利合計は3000万円近くになった。月額2万円でも2000万円程度にはなる。問題は年利7%がどこにあるかだが、S&P500(配当込)は過去30年なら年率8.4%程度で回ってきた。ちなみに過去10年は年率11.64%、20年はITバブルと金融危機を経ているので8.05%、40年なら9.8%だ。為替はというと1985年が250円/ドル程度で1990年以降は150円と80円のレンジ内だ。1年に1円程度の円高を許容できれば計算が成り立つ。ではその原資はどこから?額に汗して働けば年間30万円ぐらいは投資にまわす資金はねん出できないか?できると思う、今の日本なら。

④S&P500の“お告げ”
さて、最近面白いリサーチに遭遇し少し興奮している。過去1年間の価格データを分析することで今後3か月程度を予測する計量モデルだ。昨年8月時点で秋口からの相場下落や12月24日の大底をピンポイントで言い当てている。私自身その仕組みはよく理解していないが、相場本来がもつパルスやリズムを価格情報から読み取るものらしい。信じない人も多いだろうが、予測の実績や考案者との接触を通して大いに興味を持った。もちろん全てを完全に予測できるわけでもないし、上下の変動率は予測の対象になっていない。つまり相場の上下とタイミングの予測で実績があるということだ。

下記のチャートと照らし合わせてみてほしいが、今年に入ってからの先行きも相当正確に言い当てているが最近の予測は
3月11日:5月第一週までの堅調な相場と5月末までの調整。(これがドンピシャ!)
4月15日:6月第二週以降は踊り場で6月24日が7月のサマーラリーに向けての買い場
5月27日:7月中旬は中だるみで7月末から8月にかけて堅調
6月10日:7月19日以降中だるみでその後堅調も8月7日から下降、8月15日が底値。

今後、このリサーチを折に触れ紹介してみる。ありがとうアメリカ株式
『バロンズ拾い読み』編集人 川田重信

今年3月11日以降のお告げチャート

チャートは年初来のS&P500指数