■概況
主要指数は3週続伸、S&P500はそれまでの史上最高値(4/30の2945)を木曜(6/20、2954)に更新した。他の主要指数も史上最高値にあと僅か。6月は1年でパフォーマンスが最悪のはずだが、月初からの上昇率は驚異的だ。7.2%上昇しているダウは1938年(+24.3%)以来、7.2%のS&P500は1955年(8.2%)、そして7.8%のナスダック総合は2000年(16.6)以来の出来事だ。主な推進力は7月利下げへの期待で、今後は景気悪化の経済指標がでるだろうから、金利を下げる?株が上がればなんでも問題解決の雰囲気でなんとなく調子が良すぎる。これについては後段でもふれる。

■今週の記事
1. 金利引き下げ【金融政策】
2. 医療改革受益者【ヒューマナ】
3. S&P500指数が最高値更新【米国株式市場】
4. ESGと債券の融合【ピムコ】
5. 価値観に基づく投資【ESG投資】
6. 下落に乗じる【インタビュー】
7. 次の有望な投資対象は?【コラム】
8. カリフォルニア州の消費者プライバシー法【ハイテク】
9. フィットネス界の新トレンド【フィットネス産業】
10. 今週の予定【経済関連スケジュール】

■注目記事
世界中の中央銀行の政策がマーケットにもたらす影響を分析しているのはカバー【金融政策】と7番【コラム】。

カバーでは中央銀行の前のめりな姿勢を評して「FRBが市場をリードしているのではなく、リードされているむきも」。まったくそうだけど「純化した株主資本主義」の国だからしょうがない。

7番では「逆イールドを景気後退の予兆とする解釈そのものが間違っている可能性」、また記事の最後に、NYダウの値で金が何オンス買えるか?と問いかけ、2011年にはNYダウ=7.8オンス、昨年9月時点で22オンス、そして現時点では19オンス。つまりまだまだ金は株に比べて出遅れていると。

今週はESGも特集だったが採用記事は5番の【ESG投資】と、ESGと債券の融合に熱心な【ピムコ】の2つ。ESG?文中にもあるけど我々世代は「パフォーマンスを毀損」と思っている。

それ以外では
2番【ヒューマナ】はどのような医療保険改革であれ株価上昇の可能性

3番【米国株式市場】では、株式市場の最高値挑戦は3回目だが今回もレンジ内に終始ではないか、との見解。

6番【インタビュー】でのカバー銘柄は出前注文サイト運営のグラブハウ(GRUB)、低価格化粧品メーカーのe.l.f.ビューティー(ELF)、テキーラのベクレ(CUERVO.メキシコ)。

9番の【フィットネス産業】では業界のアマゾンと異名をとるプラネット・フィットネス(PLNT)と今月IPO申請で、サイクリング界のネットフリックスと言われるペロトン・インテラクティブ。

10番【経済スケジュール】ではメルトアップした代替肉メーカー、ビヨンド・ミート(BYND)同様に空売りの踏み上げが期待される5銘柄:オンライン中古車販売のカーバナ(CVNA)、不動産情報サイトを運営するジロー・グループ(ZG)、業務用工具製造・販売のスナップオン(SNA)、パッケージ食品メーカーのホーメル・フーズ(HRL)、ネットワーク機器・ソフト販売のユビキティ・ネットワークス(UBNT)。

■出戻り証券マンの独り言:
①S&P500新値更新のさなかに「NYダウショートのセミナー
先週のテレビ出演直後にある人が「ある証券会社では、NYダウのショートのセミナーを開催しています。」と連絡をくれた。つくづく日本人やってるなぁーと思った。米国が下がっても日本株がもつならそれもいいけど、米国下がってそれ以上に日本株が下落するなら、日本株ショートの量を増やすだけで十分ではないか?

②エイチ・エス証券でセミナー講師
7月10日の横浜を皮切りに全国5か所で講演の機会を頂いた。演題は「米国株式を使った資産形成術」。昨日土曜日の朝刊に3回目の広告が掲載された。今回は米国株式の長期投資で大きく儲けてもらうことを主眼に話すつもり、と言っても私には個別銘柄やIPOの短期売買で稼ぐ実力はない。先日テレビでもいったけど「私のような愚鈍でも儲かるのが米国株式」!言い忘れたのは「あなたは愚鈍じゃ無いですよ、もちろん。」

③週間ダイヤモンド(6/29号)「結局、S&P500を買うのが間違いないんですよ」
同誌の米国株投資入門の特集記事の冒頭はこう始まり「これはある日系運用会社の幹部のコメントとして、日本株を扱っている金融マンの間ではこんな考え方がひそかに語られてきた」と続く。私が機関投資家セールスをやっている時も本音で話せる運用者とはこういう会話をしていたものだ。中には会社への忠誠を誓っているのか、目が笑ってない人もいるので迂闊に話題にできない。あのサラリーマン運用者はいまではどう思っているだろうか?直近では欧州や新興国の株式投信の運用責任者を務める大ベテランも「それ(米国だけで十分)は正しいけど、会社のオーナーは理解しない」ので「その“真実”は言ってはいけない」と。つくづく会社を辞めて良かったと思っている。

④直近、6月19日 のお告げ
先週、掲載したS&P500の「お告げ」では
4月15日:6月第二週以降は踊り場で6月24日が7月のサマーラリーに向けての買い場
5月27日:7月中旬は中だるみで7月末から8月にかけて堅調
6月10日:7月19日以降中だるみでその後堅調も8月7日から下降、8月15日が底値。
こうなっている。
そして直近6月19日のお告げレターでは
8月7日から持ち合いに転じ8月15日まで底値形成、そこから買い場到来だとおっしゃる。

現実の相場は、6月第二週は確かに小幅高で持ち合いと言えるが、先週の第三週は踊り場ではなく大幅高だった。24日からのラリーを先取りしたのか?お告げでは「7月19日過ぎまで堅調でそこで一服して7月末から小規模のラリーが始まる」。

しかしここまですでに3週続騰だ。ここからもう3~4週右肩上がりが続くのか?そうなるとすべての指数が一気に新値更新だろう。確かに昨年9月前後に高値、その後は今年の4月ごろにその高値に挑戦し5月は約1か月間調整して、いま出直りの最中で三度目の挑戦になる、もう高所恐怖症はないのか?高値更新の推進力は利下げ期待と米中貿易戦争の緩和。そのうちに企業業績の上昇修正も出始めるのか?そうなると金利低下と相矛盾するシグナルが混在することに。さてさてどうなることやら。辛いことより楽しいことの方が多い、それが米株投資だ。ありがとうアメリカ株式

『バロンズ拾い読み』編集人 川田重信