■概況
先週、主要株価指数の中でS&P500指数は1.7%上昇して3025.86と、史上最高値を更新して週を終えた。ナスダック総合指数も2.3%高の8330.21と、史上最高値を更新して引けた。
一方、ダウ工業株30種平均(NYダウ)は0.1%高にとどまって2万7192ドル45セントで取引を終えたが、これは、737 MAX旅客機運航停止の影響がボーイング(BA)の業績に表れて8.6%安となったことによる。
5番【米国株式市場】

1.リスクにもかかわらず買い【PG&E】
2.ソフト会社にバブルの気配【ソフトウエア】
3.投資の先を見据える【ロボアドバイザー】
4.自動車の未来【自動車業界】
5.利下げ期待と堅調な業績発表を受けて史上最高値更新【米国株式市場】
6.米国株に弱気【インタビュー】
7.ハイテク企業の配当に注目【インカム投資】
8. FRBの次回利下げは失敗の可能性【コラム】
9.ケーブルテレビ業界の再編【ケーブルテレビ】
10.今週の予定【経済関連スケジュール】

■今週の記事
2番【ソフトウエア】米国株式市場でソフトウエアほど人気の高い業界はない。赤字を抱える企業も多いが、投資家は利益の欠如を黙認し、売り上げ成長率の高さと市場機会の大きさに魅力を見いだしている。

3番【ロボアドバイザー】第3回ロボアドバイザー・ランキング
ロボアドバイザーの運用資産額は少なくとも4400億ドル。増加の主な要因は、人間のアドバイザーへのアクセス、サステナブル投資商品、高金利のキャッシュ口座などの新サービスである。こうした要素はいずれも従来の金融サービスに近い。

■出戻り証券マンの独り言:
①エイチ・エス証券サマーセミナ:土曜日(7/27)は名古屋で月曜日(7/29)の福岡が最後。
名古屋支店での質問:米国株式の米国人の保有比率は?
→「ほとんどの米国株式の所有は米国人ではないか?」後で気になって調べたら、財務省データの引用サイトがいくつかあった。
https://finance.townhall.com/columnists/politicalcalculations/2019/07/24/foreign-ownership-of-us-stocks-n2550535

2018年6月末時点で、S&P500指数の時価総額は23兆ドル(=2500兆円)でそのうちの35%、8.1兆ドル(=900兆円弱)が外国人保有だ。2002年時点では1.4兆ドル(=150兆円)でその比率は15%だった。その後保有比率はじりじり上がり2015年には36.5%にまで上昇していたようだ。

今世紀に入って米国株式の上昇には外人投資家も随分寄与したはずだ。米国株式は米国人が9割がた保有と記憶していた私がアップデートを怠っていたわけだ、すいません。

②お客様の疑問は「なぜ投資は米国株式だけでいいの?」で、その理由は講演会でも上手く言えない。
表向き(?)の説明は(下記チャート①)
世界の株式取引所の時価総額(下記のチャート②参照)をみると米国(3000兆円超)が突出しているが、世界の取引所に占める割合は40%だ。ならばあと60%もあるではないかと思うかもしれないが、私からみて世界で株式市場は米国だけだ。というのも公開市場で企業の持ち分を投資家に自由に売買させる、そしてその投資家を等しく扱っているのは極論すると米国株式市場だけ!他のマーケットはその国固有の制約がたくさんある。株式の本源的な価値が分かりにくい(分からないようにしている)ので正しい株価で真の所有者になることが難しい。例えば

*日本:市場の特殊性は自明だ。あれは投資家にリターンを返すマーケットではなく日本を背負う企業を応援するための“活動費”や“寄付”を募る市場だ。したがって見返りを求めるのは筋違いだ(オット!危ない)。さらに企業存在の本質は雇用を通じた社会の安定と納税を容易にするための器だと思えば日ごろのメディア報道が腹落ちする。そしてこれが日本人の価値観にドンピシャにフィットする極めてよくできた仕組みだといつも感心している。企業活動、納税、雇用、社会の安定効果の残余が株主への見返りと思えばあの投資リターンは当然でなんとなく清々しい(本当にそう)。

*中国:共産党支配の国が投資家と外国人にまともなリターンを提供するとは思えない。下記の記事にもあるように「株主より共産党重視」これが全てだと思う。
「日経新聞『中国企業、株主より共産党重視(一目均衡)上海支局 張勇祥 2019/3/11』 ~19年に入り世界で有数の上昇率となりながら、市場関係者からは中国株の長期保有を勧める声はあまり聞こえてこない。」
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO42291620R10C19A3DTA000/

*欧州:市場規模はドイツ(DAX30)とフランス(CAC40 )が大きいが、例えばドイツの時価総額は240兆円(19年2月末)で僅か30銘柄で市場の7割程度を占有。詳しいことは端折るが、要は日本と一緒で間接金融が幅を利かす。私の理解では、野放しに直接金融が発達すれば名もない野心家が一代(ここが肝心!)で国や地域の秩序をひっくり返すほどの力も貯えてしまうかもしれない。歴史と伝統を重んじる為政者と既得権益者はだれもそんな“異端者”の台頭を望まない。とにかく長く安定した秩序を混乱させる“暴れん坊”の登場は困るのだ。

つまり想定外の“革新”、“創造的破壊”は見たくない、これが本音ではないか?これらの国の株式は為政者と民意が間接金融の仕組みを通じで株主リターンをコントロールする。そんなエクイティ(持ち分)に成長投資の妙味はない。

*新興国:為替をドルにペッグしないと資金が集まらない国は米国の金融政策に首根っこを抑えられている。そのような国のエクイティは米国株式のデリバティブ(派生商品)と言える。さらに「経済成長と株主利益は相関する」は現実にはそうなってない。これは学者の論証を待つまでもなく、現地で国家運営を眺め企業活動を経験すれば直感的に分かる。

まず当地の権力者が経済的な果実を独り占めしようとする。さらに経済成長のためには生活、ビジネスインフラで米欧日のグローバル企業に依存せざるを得ない。それらグローバル企業へのサービス使用料(例マイクロソフトのOS≒米国への納税)に経済果実の多くを吸い取られる。なので一般の投資家はリターンの分配で劣後するし、まして外国人投資家には「なぜ国富を外国人に安価に売り渡す必要があるのか?」とくる。これも当事者から見れば当たり前でまともな思考回路だ。元アジア株式の責任者、川田は新興国の株式投資を信用しない。

そうやって世界の市場を峻別していくと最優先は米国株式市場だ、むしろ米国株式市場だけが異端、異質で特殊だと言える。これが私の実感で相当正しい(!、?)。

以下が本音
で、なぜ日本人に米国株式の理解が進まないのか以前は疑問に思っていたけど、小室直樹の「日本人のための宗教原論」に「資本主義もデモクラシーも近代法も、深くキリスト教に根ざしている。」とある。小室先生の他の書物と併せて読んでみて随分納得した経験がある(詳細は次回以降)。それ以来日本人が米国株式を買わなくても全然気にならなくなった。というか自分がそれ(小室説)に気づいて心底得した気分。
https://www.amazon.co.jp/%E5%B0%8F%E5%AE%A4-%E7%9B%B4%E6%A8%B9/e/B001I7CUT8

②直近、7月23日のお告げ”+「お告げの“アップル”」始めた!(チャート③、④、⑤)
7月8日:19日頃以降はもみ合いで、その後8月7日までに高値を目指しその後持ち合い。8月15日に底値潮目で8月末高。9月に入ると保ち合いで3指数は9月7日ころに潮目(買い場)形成。
7月16日:3指数は9月9日前後に潮目(買い場)を形成し9月20日まで堅調に推移。
7月23日(直近):(9月20以降)今までの株価上昇にもやや疲れが見え始め、9月末にかけて保ち合い、10月に入ると方向感を失い、日柄調整を経て複数の潮目を形成し10月28日頃の底値潮目を起点に上昇を開始

さて“お告げ”では「19日頃まで上がって、その後も緩やかながら高値志向」なので当たりすぎではないか?次の上値志向の反転ポイントは8月15日頃。それまでには一旦スピード調整が入ることになる。下がるより上がるほうが良いけど、あまりに上昇スピードが早いのはいつもながら気持ちが落ち着かない。

お告げの“アップル”
「お告げ本舗」の協力でアップルをいじってみた。まだまだ試作段階だけど体裁は構わずとにかくリリースしてみる。
まずは今年3月11日時点のお告げをアップルのチャートになぞってみたのが添付のチャート④。それで結構いけると思って、直近(7/23)のお告げを幾つかプロットしてみたのがチャート⑤。さてさてどうなるやら。なにをやっても面白い、ありがとうアメリカ株式

『バロンズ拾い読み』編集人 川田重信

チャート①

チャート②世界の株式市場の時価総額

グラフでみる主要国の株式市場 情報提供:アセットマネジメントOne株式会社
https://www.am-one.co.jp/pdf/report/3619/180815_infogr_equity.pdf

チャート③

チャート④
お告げの“アップル” 3月11日時点

コメント:
*2月末の反転は少し時期がずれていた
*「崩落パターン」は少し長めのスパンで見れば大当たり?
*5/17の反転は外れているが、あとは概ねOKでは?

チャート⑤
お告げの“アップル”7月23日時点


コメント:
*最初の株価の転機は8月27日
*次の転機は9月11日頃と10月10日ごろ