■概況
月曜日の下げは強烈。ただしその後の反騰で木曜時点では週間の下げを埋めたが金曜に再度売られた。これで2週連続マイナス。米中貿易戦争と世界中の金利低下が懸念材料。企業業績(2Q)は90%程度出揃った。現時点では前年同期比で0.7%減益だ。仮にこの水準なら2016年1Q、2Q以来の2期連続で前年同期比マイナスになる。また現時点での年後半予想は3Qもマイナスで、4Qになってやっと1桁台前半の利益成長が見込まれている。相場は昨年9月20日の水準から上抜けしていない。(チャート②)

『バロンズ拾い読み』目次
1.奇妙な市場に適した8銘柄【注目銘柄】
2.貿易戦争の危険な局面【米中貿易戦争】
3.隠れ場所はどこか【債券市場】
4.ゼロ金利【インタビュー】
5.嵐からの避難場所【不動産投資信託】
6.貿易摩擦に対する懸念から急落後、落ち着く【米国株式市場】
7.金利低下は吉か凶か【コラム】
8.今売るべき銘柄【売り推奨銘柄】
9.有望株【ハイテク】
10,今週の予定【経済関連スケジュール】

■今週の記事
1番【注目銘柄】
四つのグロース銘柄:アマゾン(AMZN)、ネットワーク機器大手のアリスタ・ネットワークス(ANET)、不動産投資信託(REIT)のエクイニクス(EQIX)、メルク(MRK)
四つの高配当銘柄:半導体大手ブロードコム(AVGO)、小売り大手ターゲット(TGT)、通信大手ベライゾン(VZ)、REITのウェアーハウザー(WY)

2番【米中貿易戦争】
「中国政府は、元安を利用して米国の株式市場で売りを誘発。株式市場の低迷は、トランプ大統領の立場を弱体化」実際に今回、8月5日(月)に市場は急落し、その翌日は元安抑制で市場が反発した。こうすればトランプ再選を阻止できる?

4番【インタビュー】
「有権者は大統領の過激な行動を嫌悪」、「有権者の中には雇用が安定し株式市場も賃金も上昇し景気も良いとなると、何か別の理由で別の人に投票?」これは“衣食足りて礼節を知る”ということか。

「10月31日にハードブレグジット(強硬離脱)を確信しているが、これは興味深い投資機会」。「鍵はロンドンの不動産。最後の価格下落の後に急速に資本が流入してV字回復となる可能性」これもまた逆説的で興味深い。

7番【コラム】
「マイナス金利は人口動態やテクノロジーの派生物?」というのも「寿命の長期化が貯蓄の欲求を高めている」、「購買力を将来に移転させることで、マイナス金利を容認し、貯蓄を増やしているのかも」これも面白いですね。

8番【売り推奨銘柄】
最近売りが推奨された6銘柄:①ドミノピザ(DPZ)、②ビール醸造持ち株会社のモルソン・クアーズ(TAP)、③ペイパル・ホールディングス(PYPL)、④衛星放送サービスのディッシュ・ネットワーク(DISH)⑤スポーツ・娯楽サービスのMSGネットワークス(MSGN)、⑥オンラインストレージサービスのドロップボックス(DBX)

■出戻り証券マンの独り言:
①証券営業マンへの米国株式セールス指南:株式投資は資本主義の国へ
前回セミナーでは米株投資の理由をこんな風にも説明、そのまま顧客説明に(テーブル①)

過去60年でS&P500は指数値で62倍、配当再投資(総合リターン)なら310倍
このサイト(*)だともう少し高いリターンが算出される。過去50年なら指数は26倍で総合リターンは119倍。さらに40年(26倍、84倍)、30年(10倍、20倍)、20年(2.6倍、3.8倍)となる。一方で日経平均では過去60年が34倍、50年13倍、40年3.7倍、30年0.7倍、20年1.6倍だ。
(*)https://www.moneychimp.com/features/market_cagr.htm

誠に大雑把な議論で恐縮だが、日米のモノ・サービス3つ(米国は持ち帰りコーヒー、日本は理髪、入浴料金)の上昇率に極端な差はない(テーブル②)。しかし米国はコーヒーの上昇率に比べ株価の値上がりが著しい。一方で日本はこれらサービス価格と株価の上昇率が概ね似ている。(テーブル①と②)

資本主義の国とは米国のこと
米国は「純化する株主資本主義」を志向する国で経済果実の分配では労働対価に比べ投資家優遇が明確だ。一方で日本は労働も投資もその受け取りは一緒!つまり日本は労働者への分配に格段の配慮がされ株式投資家の取り分が抑制されている(と投資家は感じる)。

で、ここで小室直樹の『日本人のための経済原論』2015年6月発行版を開いた。この版では真山仁が前書きで「日本は資本主義ではない、と小室氏が繰り返し述べている」とある。そう実感!日本は資本主義ではないから淘汰がない、つまり失業と破産が資本主義のメカニズムで起きない、だから優勝劣敗が起きにくい。ということは市場の勝者が応分な対価を受け取りにくい。だから投資家に「投資して良かったね」の“納得感”が出にくい仕組みだ。

さらに労働者も随分守られているから、社会は安定しているし街の中はきれいで浮浪者もいない。人生レースに勝ち負け感も少なく「みんな一緒!」。そしてこれが日本人の性によく合う。米国のように株主が優遇されることをこの国では誰も(?、そう!誰も)望まないし、そうさせない仕組みが至る所に張り巡らされている(と感じる)。

つまるところ、株式市場は米国のような資本主義経済でなら本来の機能を果たすが、日本ではそうならない。ならば市場本来の“リスク見合いのリターン”を求めるほうに無理がある。だから株式投資は米国へ、となる

小室直樹はあなたの証券マン人生を変える
顧客に難解な用語で説明するセールスは仕事ができない。しかし証券市場の正しい理解は必要でその理解に最も有効なのが小室直樹だ。どんな証券理論や経済学の教科書にも勝る“学び”と“啓発”を保証するしあなたの証券マン人生の転機になるかもしれない。若手なら今すぐ図書館へそして中堅以上なら読んでから若手にプレゼント!
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②直近(8/6)のお告げ(チャート①)
8月15日に底値潮目で8月末高。9月に入ると保ち合いで3指数は9月7日ころに潮目(買い場)形成。
7月31日8月初旬のNASDAQ100 の動きは、やや調整が大きくなる可能性
ダウ&SP500は7月末から8月初旬にかけて短期間(2~3日)戻るが8月7日より保ち合い/調整。8月15日前後に底値潮目も形成、その後8月末高。
9月最初は保ち合い、3指数は9月9日前後に潮目(買い場)9月20日まで堅調。9月末にかけて(買い疲れで)保ち合い。
10月最初は方向感を失い、日柄調整を経て複数の潮目を形成、金利上昇と合わせ10月28日頃の底値潮目を起点に11月7日頃まで上昇、その後底値潮目を11月19日形成し反転。
8月6日(直近)7月31日とほぼ変わらず

直近相場はお告げの通りと言っていいだろう。ただし現実の株価はお告げより若干時期を早めて動いている。お告げでは今週後半の15日頃に潮目(反転シグナル)が出ているが大きなトレンドには至らないとのご託宣だ。環境は相変わらず不安定、季節的にも下げやすい。お告げはこの不透明な環境を乗り切る必携ガイドだ。

③ここで一息“水素吸入”
何を食べても美味しく、少々呑んでも二日酔いせず、途中覚醒せずに朝までぐっすり眠れるという状態にもう戻れないのかもしれない。そんな悩みを聞いた友人から“水素吸入”を奨められた。効能は「活性酸素を除去し、身体が温まり、副交感神経が優位に」だそうだ。効果が出るまで少し通ってみる。この手の健康法には飛びつかないほうだが、一旦決めると真面目に励行する。“お告げ”に“水素”、だんだんスピリチュアルな世界に迷い込んでいるのか?否!水素はさておきお告げには十分な科学的根拠がある。お告げ本舗の店主から教えを乞うたびにその確信度合を深めている。ありがとうアメリカ株式

『バロンズ拾い読み』編集人 川田重信

チャート①

チャート②

テーブル①日米株式投資の長期リターン

テーブル②日米物価水準のサンプル

入浴 https://www.1010.or.jp/guide/%E9%83%BD%E5%86%85%E5%85%A5%E6%B5%B4%E6%96%99%E9%87%91%E3%81%AE%E6%8E%A8%E7%A7%BB/
理髪・入浴 https://shouwashi.com/transition-haircut&bathing.html
米国コーヒー https://www.cheatsheet.com/money-career/historical-look-at-the-cost-of-a-cup-of-coffee.html/

テーブル③

テーブル④