■概況
上下にぶれの大きな週で、木曜を除けば4日間とも上下に1%以上の振幅を記録した。もっと言うとS&P500の日中の変動幅は木曜日までの連続12取引日で1%を超えた。ちなみに昨年12月5日から今年1月10日までの25取引日で1%以上のぶれを続けた。(付表②、③)

直近は債券利回り低下をめぐる懸念が市場を支配した。10年物米国債利回りは14日に1.47%と、2016年以来の最低水準を付け、30年国債は史上初めて2%を下回った。さらに、10年債の利回りは2年債を一時的に下回った。このイールドカーブの逆転は歴史的に景気後退に6~18カ月程度先立って見られる現象(3番【米国株式市場】)

■『バロンズ拾い読み』目次
1. 注目すべき石油・ガス銘柄【エネルギー銘柄】
2. アメリカン・イーグル【小売銘柄】
3. 債券市場に振り回される株式市場【米国株式市場】
4. サステナブル投資【インタビュー】
5. インカム投資としての銀行株【銀行株】
6. 有望株開拓【バリュー投資】
7. 金利低下の影響【コラム】
8. 貿易戦争の影響【ハイテク】
9. 景気後退阻止へ【米国経済】
10. グローサリー・アウトレット【株式市場展望】

■今週の記事
①1番【エネルギー銘柄】投資家からとことん嫌われているエネルギーセクターだがそれでも株価底打ちの可能性あり、という特集記事。このセクターはどれほどダメか?
*過去10年のパフォーマンス:
S&P500指数セクター別(11業種)でダントツの最下位。ちなみにS&P500は年率14%だが、同セクターは4.4%。(付表④)

*セクターウエイティング
1980年頃、S&P500に占める同セクターの比重は27%程度。その後一環して縮小を続け2000年台前半は5%程度。原油価格が140ドル/バーレルだった2008年頃には約13%にまで戻ったが再度低下し始め直近は5%割れ。(付表⑦)

*投資に値しない?
セクター別ウエイティングでトップの情報・技術セクターは22%、ヘルスケア、金融が13~14%だ。また比重の小さい公益事業、不動産、素材が約3%なのでそれらとあまり変わらない。個別銘柄のウエイティングでトップのマイクロソフト(MSFT)が3.8%で2位のアップル(AAPL)が3.6%だ。そうなるとセクター全体でもこの2銘柄合計に及ばない。つまり銘柄を調べて投資判断する手間ヒマの割りに合わない銘柄群になっている。(付表⑥)

*買い推奨の理由は利回りと資本還元
今年も年初来よく下がっているが推奨理由は利回りと資本還元だ。となるといわゆるバリュートラップ(割安と思って買ったらさらに下落)のリスクにも覚悟が必要だ。

こうやって銘柄やセクターが産業構造の変化を残酷にも忠実に反映するのが米国株式市場だ。その流れに逆らった投資はいたずらに投資の難易度を高めていると思う。

②目立ったのは逆イールドが株式市場にもたらす影響
3番【米国株式市場】の前半、7番【コラム】の中頃、9番【米国経済】で重点的に取り上げている。日本のメディアの論調と比べて読むのが正しい情報収集の仕方だと思う。

③個別銘柄
2番【小売銘柄】アパレルメーカーのアメリカン・イーグル・アウトフィッターズ(AEO)
5番【銀行株】銀行銘柄への投資の留意点。
8番【ハイテク】シスコシステムズ(CSCO)、
10番【株式市場展望】直近上場のディスカウント・スーパーマーケット・チェーンのグローサリー・アウトレット・ホールディング(GO)

■出戻り証券マンの独り言:
①お告げ本舗の講習会
先週、お告げ本舗の店主が株価転換点予測モデルの説明会を開いた。参加者は証券会社の商品開発や株式担当、運用会社のトップやプライベートバンカー、IFA法人の社長等総勢10数名だ。

店主は学生時代から株式市場に興味を持ち、理系のバックグラウンドを活かし、過去の株価が内包する情報から将来株価の転換点を予測する手法をモデル化した。その中身は、例えて言えば「一葉落ちて天下の秋を知る」の一葉の落ちる時期を事前に予測するようなものか。他にも、桜の開花予想は2月1日以降の「最高気温」の“積算600度の法則”があるそうだが、その気温を株価に置き換える、こういう風にも例えられるようだ。

その大胆予測は80年代から証券会社の仲間内では有名だった。そして5年ほど前から正式に世に問い、大事な転換点を的中させ関係者を驚かせている。直近では昨年1月の急落からその反発、秋以降の崩落や12月24日の大底、さらには今年5月の調整で、これらを事象発生の3カ月程度前には予測している。もちろん全ては的中しない。その確率は6割程度というのが店主の自己評価だが、私はそれ以上と感じる。

講習会では、モデルについての整合性やロジックが気になる人もいたようだが、セルサイド連中はこれを使ったビジネスに思いを馳せていた。私自身は、モデルの完成度合や美しさを評価するほどの知見は無いが、投資パフォーマンス向上のツールとして大いに興味がある。

講習会の後、嗅覚の鋭いIFAから早速システム利用の申し込みがあった。さすが出来る営業マンはやることが速い。この講習会は気分次第(ウソ!)で随時開催しているようだ。ご興味のある方は当方にお問い合わせください、店主に聞いてみる。

ところで、ある敏腕IFAの有力顧客は投資判断に際して既存メディアからの情報を一切遮断している。というのもそれらには何等かの意図やバイアスが入っているから投資のジャマなのだそうだ。そして自分が納得したネット上の情報や媒体。あとは信用できる人からのアドバイスのみを活用するらしい。この姿勢はまったくもって正しく、この人は資産運用で成功しているに違いない。今度、お告げもそういう人に是非吟味してほしいものだ。

②直近(8/14)のお告げ(チャート①)
7月31日:8月初旬のNASDAQ100 の動きは、やや調整が大きくなる可能性。
S&P500は8月末高。
9月最初は保ち合い、3指数は9月9日前後に潮目(買い場)9月20日まで堅調。9月末にかけて(買い疲れで)保ち合い。
10月最初は方向感を失い、日柄調整を経て複数の潮目を形成、金利上昇と合わせ10月28日頃の底値潮目を起点に11月7日頃まで上昇、その後底値潮目を11月19日形成し反転。

8月14日(直近)
基本は従前どおり。
10月: 10月23日、10月28日頃の底値潮目を起点に11月7日頃まで上昇、その後11月19日-22日までに押し目を形成し反転、12月1日まで堅調な上げとなり、年内は株高で終わりそう。

8月15日が転換点のサインだったがその前2日間は急騰(13日)急落(14日)、肝心の15日は小動き、ただし16日はきっちり急反発している。これで3週続落なので月末まであと2週間は高くその後は調整すると示唆している。こうやって相場のリズムを頭に入れとくと精神的に随分楽になる。ありがとうアメリカ株式 https://www.kawataamekabu.com/
『バロンズ拾い読み』編集人 川田重信

付表①

付表②

付表③

付表④ S&P500指数セクター別の過去10年年率パフォーマンス

付表⑤ S&P500セクターウエイティング

付表⑥S&P500 上位個別銘柄のウエイティング

付表⑦エネルギーセクターがS&P500指数に占める比重の推移