■概況
週間ベースでは木曜までプラスだったが金曜の急落で結果的に4週続落。下落率はS&P500は1.4%、ダウが1%、ナスダック総合は1.8%だ。期待より懸念材料が先に立つ外部環境の中で、S&P500の金曜の終値は史上最高値から5.9%下回る水準。調整局面入りとされる10%安の水準を睨む動きを想定する投資家が増えているかもしれない。(付表②)

また直近のS&P500は8月14日の2840.60よりは高いがナスダック総合とナスダック100は14日引け値を下回っている。8月も最終週に入るが、月初来と年初来はS&P500が-5.5%と+13.6%、ナスダック総合は-6.3%と+16.8%。例年8月はパフォーマンスが悪いが今年はその通りの展開。そういえば昨年はS&P500の高値は9月20日(2931)でその後年末まで19.8%下落した。(付表③、⑤)

■『バロンズ拾い読み』目次
1. 見逃せないアメフト放映権の行方【テレビ放送】
2. ポートフォリオの守り方【投資戦略】
3. リターン低下に備える【投資環境】
4. 危機は必ず訪れる【危機対応】
5. 中国とトランプ大統領の挟み撃ち【米国株式市場】
6. ストリーミングテレビの覇者【ハイテク】
7. 銀行銘柄は人気低下【インタビュー】
8. ツイートで株式市場が乱高下【コラム】
9. 自社株買いの制限は不要【自社株買い】
10. 今週の予定【経済関連スケジュール】

■今週の記事
①カバーは【テレビ放送】、全米最高の人気スポーツ、アメフト(NFL)は9月5日からシーズン入りするが、NFLとテレビ放映権の関係を紹介。関連銘柄はCBS(CBS)、フォックス(FOMA)、コムキャスト(CMCSA)、ウォルト・ディズニー(DIS)。

②直近の不透明な市場環境への対応方法
2番【投資戦略】最悪シナリオとその切り抜け方をストラテジスト、ファンマネ、フィナンシャルアドバイザーに調査。現状の最優先懸念は債務問題で2番目が中国との貿易摩擦、そして3位は社会の信頼感低下がもたらす危機。

3番【投資環境】
ファクター投資で著名なロバート・アーネットへのインタビュー。株式リターン、新興国投資が主な話題。
*株式リターン:過去100年で年平均9%だったが今後もそれが望めるわけではない。

*新興国投資:現在極めて割安。ただし意図した結果が出なくでも耐えられる範囲で。さらに「最も割安な株式市場はロシアとトルコ。プーチンやエルドアンという独裁者が外国株主の富を収用するリスクがあり、その要素は株価評価モデルには織り込まれない。」ここが大事だと思う。

4番【危機対応】
滅多に起こらないが発生すれば甚大な被害を及ぼす「ブラックスワン」。これへの備えを解説。

① リスク許容度を理解せよ
② キャッシュで守りを固める
③ 時間軸の中で考えよ
④ 周到にチャンスを狙え
⑤ 災害への備えは?

資産運用以外についても大所高所から説教じみたアドバイス。分かっているけど中々実行できない。金融危機では壊滅的な損を被ったかもしれないが、そのまま放っておけば結構なパフォーマンスになった。これをどう考えるか?過去に取り返しのつかないほど相場で損害を被ったのは1929年の大恐慌だけでは?つまり金融資産に占める米国株式の割合がそこそこならそれでもう防備は万端ではないか。問題は米国株式以外の投資機会を過大評価しないことだろう。もっとも日本人の場合はその米国株式が少なすぎるのが問題か。(付表④)

③個別銘柄
5番【米国株式市場】複合企業の3M(MMM)。年初来株価は16%以上下落している。「ビジネスモデルが壊れているので押し目狙いはまだ早い。」

6番【ハイテク】ストリーミングテレビの新興企業ロク(ROKU)は有望。インタネットテレビ端末市場での同社シェアは44%でアマゾンのFireTVが33%、グーグルのChromecast(クロームキャスト)16%、AppleTVが13%。まだ赤字で2020年度予想売上高倍率11倍はネットフリックス(NFLX)の5倍より割高。

7番【インタビュー】オーバーウエートの金融銘柄を3つ。JPモルガン(JPM)、アメリカン・エキスプレス(AMP)、ディカバー・ファイナンシャル・サービシーズ(DFS)

8番【コラム】CKハチソン・ホールディングス(長江和記実業、1.香港)、屋外広告事業のクリア・チャネル・アウトドア(CCO)

④その他トピックス
8番【コラム】ベテランストラテジストのバイロン・ウィーンは86歳だがまだ第一線で活躍。彼が別荘で多くの投資家と意見交換。少し前までトランプ再選で一致していたがその後熱狂が覚めつつある。トランプで経済が良くなったので有権者も「衣食足りて礼節を知る」人に好感か。

ウォーレン・バフェットは8月30日に89歳の誕生日。ただしバークシャーの株価は年初来マイナス3%(S&P500は+14%)。PBRが1.3倍なので割安とのことだが、同社はこの20年近くはS&P500に勝ててない。

9番【自社株買い】
「自社株買いは株価押上げや所得格差拡大を助長しない」。実態はストックオプション行使による希薄化防止。さらに「上昇相場が自社株買いを助長しておりその逆ではない。」著者は高名なストラテジスト、エドワード・ヤルデニとその同僚。ネタ元のPDFは下記。https://www.yardeni.com/premiumdata/TS84.pdf?mod=article_inline

■出戻り証券マンの独り言:
直近(8/14)のお告げ(付表①)
7月31日:8月初旬のNASDAQ100 の動きは、やや調整が大きくなる可能性。
S&P500は8月末高。
9月最初は保ち合い、3指数は9月9日前後に潮目(買い場)9月20日まで堅調。9月末にかけて(買い疲れで)保ち合い。
10月最初は方向感を失い、日柄調整を経て複数の潮目を形成、金利上昇と合わせ10月28日頃の底値潮目を起点に11月7日頃まで上昇、その後底値潮目を11月19日形成し反転。

8月14日(直近)
基本は従前どおり。
10月: 10月23日、10月28日頃の底値潮目を起点に11月7日頃まで上昇、その後11月19日-22日までに押し目を形成し反転、12月1日まで堅調な上げとなり、年内は株高で終わりそう。

金曜の急落を想定していた人は多いのだろうか?私のもとに日本の金曜にいくつか売りポジションを仕込んだと知らせてくれる人がいた。私はパウエル発言で少々の乱高下は想定内で結果的に-1%程度なら週間でプラスなのでそれでO.K.と。-3%超(ナスダック100)は大きいが14日もやはり3%超下げたがそのあと1週間で取り戻した。市場のボラティリティが高まるとどこかでドカンとくるのか?9月も荒れるイメージがあるし市場を取り巻く懸念材料には事欠かない。それでもお告げは今週プラスを示唆している。ありがとうアメリカ株式

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『バロンズ拾い読み』編集人 川田重信

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付表①

付表②

付表③

付表④

付表⑤