■ 急激な景気悪化

経済の急激な悪化がすでにここで起きているとの事実は疑う余地がない。

コロナウィルスの拡大を背景に、店は閉められ、レストランから客がいなくなり、旅行とイベントはキャンセルされ、製造現場や生産施設が閉鎖された。現時点でゴールドマン・サックスは、米国の第2四半期の国内総生産(GDP)成長率がマイナス24%(前期比年率換算)という記録的なものになると予想している。

市場は光速並みの速さでこれを織り込む動きとなった。ダウ工業株30種平均(NYダウ)はこの1カ月で約35%となる1万ドル以上の下落となり、その中には一日の下落としては1987年のブラックマンデー以来となる先週の月曜日の約3000ドル(12.9%)の急落もあった。S&P500指数とナスダック総合指数も同様の急落となったほか、景気動向に対する反応がより大きな小型株のラッセル2000指数の下落率はそれを上回った。

先週だけでNYダウは17.3%急落して1万9173ドル98セントとなり、S&P500指数は15.0%安の2304.92、ナスダック総合指数は12.6%安の6879.52となった。各指数にとって一週間の下落率としては2008年10月10日までの週以降で最悪だった。ラッセル2000指数は16.2%安の1013.89で週末を迎えた。

乱高下するマーケットに対して、先週各国の中央銀行は迅速に対応した。米連邦準備理事会(FRB)は18日夜にMMF(マネー・マーケット・ファンド)向けに資金供給を始めると発表し、同日夕には欧州中央銀行(ECB)が緊急の資産購入を決めた。19日には英イングランド銀行も緊急利下げと資産購入の再開を発表。日銀も政策決定会合を前倒ししてETFの購入増額等を決めている。

これらの政策をきっかけにマーケットが落ち着くかどうかは依然不透明であり、底値を確認するのにはまだ時間がかかりそうだ。